IPR(Interproximal Enamel Reduction)とは?
「IPR(Interproximal Enamel Reduction)」とは、歯と歯の間を少しだけ研磨する処置を指します。
主な目的は、矯正治療を行う際に歯が移動するための十分なスペースを作り出すことです。
この処置では歯の両サイドを数ミクロン単位の薄さで削るため、見た目にはほとんど影響がありません。
「歯を削る」と聞くと抵抗を感じるかもしれませんが、IPRは歯に悪影響を及ぼさず、むしろ再石灰化によって歯質が強化されることが近年の研究で明らかになっています。
ただし、IPRはすべての患者さまに必要な処置ではなく、個々の歯の状態に応じて必要な場合にのみ行われます。矯正治療をより快適かつ効率的に進めるための重要な手段だと言えるでしょう。
IPRの目的やメリット
IPRの目的と、処置によって得られるメリットについて解説します。
スペースの確保
矯正治療によって歯を移動させるために必要なスペースを確保します。
十分なスペースがあれば、歯を抜かずに矯正を進めることが可能です。狭いスペースに歯が詰まっているケースでは、IPRが不可欠です。
矯正効果の向上
歯の移動をスムーズにし、矯正治療全体の効果を高めることができます。
IPRによって歯の移動が計画通りに進むため、治療期間の短縮にも寄与します。
歯並びの改善
あえてスペースを作ることで、計画に沿って歯並びを整えるための調整がしやすくなります。
そのため、見た目の美しさだけでなく、機能的なかみ合わせの改善にもつながります。
かみ合わせの調整
適切なかみ合わせを実現するためにもIPRは有効です。
かみ合わせが改善することで食事の際の顎への負担が減り、全体的な口腔の健康も向上します。
治療後の注意点
IPRは、わずかとは言え歯を削る処置です。
治療後には以下の点に注意する必要があります。
歯磨きの徹底
削った部分は再石灰化が進むため、特に丁寧な歯磨きを心掛けましょう。
電動歯ブラシや歯間ブラシなども活用してすみずみまで清掃する必要があります。
定期検診
処置後の歯の状態を確認するために、定期的に歯科検診を受けることが重要です。
矯正治療の進行状況や歯の健康状態を確認するためにも、定期的なチェックが欠かせません。
フッ素ケア
再石灰化を促進するため、フッ素配合の歯磨き粉や洗口液を使用することをおすすめします。
フッ素は歯質を強化するほか、虫歯の予防にも効果的です。
食事の注意
処置後しばらくは硬い食べ物や粘着性のある食べ物を避けるようにしましょう。
削った部分にできるだけ余計な負担をかけないようにすることで、治癒の促進につながります。
IPRでより効果的な矯正治療を
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IPRは、適切に行われることで矯正治療をより効果的に進めるための有用な手段です。
歯をわずかに削る必要はありますが、キレイな歯を手に入れるためにもぜひご検討ください。
調布柴崎歯科クリニックでは、患者さん一人ひとりの状態に合わせた最適な治療をご提供しています。歯に関するお悩みは、まずはお気軽にご相談ください。